【写真】ソフィテルフィリピンプラザ・マニラ（Sofitel Philippine Plaza Manila）／マニラ（フィリピン）
 

Ｑ．富裕層が海外不動産を購入する時注意していることは何ですか？
 
Ａ．下記4つの基本的な内容は把握していると思います。

物件の収益モデルを把握する

富裕層の投資家が不動産投資を行う場合、その投資家が住んでいる地域の周辺物件、住んでいる国の不動産、海外の不動産など、所有している資金量と目的によって購入を検討する物件が異なってきます。ただ、近年は日本の物件だけを購入する投資家は少しずつ減ってきており、不動産価格が年々上昇傾向にあるアメリカやイギリスの不動産、あるいはインフラの整備などで不動産価値の大きな上昇が見込める発展途上国の不動産を視野に入れる人たちが増えているように感じます。

 
とくに、新興国の首都など人口が急増している都市では、住宅需要の増加に加えて高い賃料を支払うことができる中間層以上の国民が増えてきており、毎年少しずつ物件の賃料が高くなっている現状があるので、毎月の賃料でインカムゲインを得ることを目的に不動産投資を行うケースが多いように思います。

 
しかし最近は、新興国の中心地・人気エリアの物件購入価格が高騰してきており、インカムゲインでは投資金の回収にかなり時間がかかってしまうため、アメリカやヨーロッパの不動産のように、物件を高く購入してさらに高く売る高度なキャピタルゲイン目的の投資も必要になってきているので、その点は注意が必要でしょう。

物件の支払い方法を把握する

たとえばフィリピンで不動産を購入することを考える場合、2通りのタイプの不動産があり、あらかじめ購入前にそれぞれの物件の支払い方法を把握する必要があります。まず1つ目が「プレビルド物件」です。

 
この不動産は、ディベロッパーから直接購入する新築物件のことで、コンドミニアム建設前から販売がスタートし、支払いは一括支払いや5年前後で分割支払いする方法などから選択することが可能で、売れた戸数によって価格が少しずつ上がっていくため、初期で購入した方が安価な価格で不動産を購入できます。また、部屋が引き渡される前に購入者がブローカーを通じて転売に出すケースがあり、その物件を購入するためには、これまで最初の購入者がすでに支払った分は一括で支払い、その後の支払いは通常のスケジュール通りに支払いをする方法が一般的です。

 
次に2つ目が「中古物件 (Resale)」で、新築物件が購入者に引き渡され、その不動産がブローカーを通じて売りに出された物件を指します。しかし、物件を購入するためには、基本的に一括払いで買わなければならないため、あらかじめ手元に大きな資金が必要となります。

物件の立地場所・環境を把握する

たとえばフィリピンの首都・マニラでは、マカティやBGC (ボニフォシオグローバルシティ)、マッキンリー、ロックウェル、オルティガスなど、不動産投資目的や自ら利用する目的で購入する価値がある地域がありますが、不動産を選ぶ際にとくに重要になるのが物件が位置している立地です。

 
具体的には、マカティがビジネス街、BGCがビジネスと住宅の両方が共存するエリア、マッキンリーやロックウェルは主に住宅エリア、オルティガスはマカティに次ぐビジネスエリアと分かれており、それぞれの街に住む人たちの特徴をしっかり考えて不動産を購入する必要があります。

物件のディベロッパーを把握する

不動産を開発するディベロッパーの選択は、物件購入後の入居率や転売の可能性を高めるうえでとても重要な要素になります。

 
不動産を購入する国で、ディベロッパーが過去にどのような不動産プロジェクトを行い、それらの実績や評判・人気はどうだったのか、またディベロッパーがどのような不動産開発を得意とする企業なのかなどを把握することが大切で、たとえばフィリピンでは下記のような企業が評判が良いディベロッパーとして有名です。
 

【フィリピンの大手不動産ディベロッパー】
●アヤラランド (Ayala Land)
●メガワールド (Mega World)
●フェデラルランド (Federal Land)
●シャングプロパティーズ (Shang Properties)
●DMCIホームズ (DMCI Homes)
●センチュリープロパティーズ (Century Properties)
●ロックウェルランド (Rockwell Land)
●フィルインベストシティ (Filinvest City)

 
このように、上記4点のような注意事項を応用することで、海外不動産の購入を検討してみるのも良いかもしれません。