【写真】九龍(Kowloon)のコンドミニアム/香港(中華人民共和国)
Q.ビットコインのハイプ案件は、危険な投資でしょうか?
A.リスクとリターンが非常に大きく、多くの利用者が元本を回収できずに終わる現状があるようです。
2017年に、とくに富裕層や投資家たちの間で注目された業界が「フィンテック」業界です。その中でも「仮想通貨」(Cryptocurrency)は、世界的にみても非常に大きな注目を浴びていますが、日本で資金決済法が改正されて「仮想通貨法」が法律上で定義・可決されたことによって、仮想通貨が株式・不動産のような投資対象として信頼性が上がったことが一因として挙げられると思います。
そのため日本では、FXトレーダーや株式投資家、お金を求める多くの素人までもが「BitFlyer」「coincheck」「Xapo」「Poloniex」などの仮想通貨取引所に口座を開設し、ビットコインの運用を始めたのです。
その結果、ビットコインは2017年1月時点で「1BTC=約80,000円」だった価格が、6月には「1BTC=300,000円」を超えるまでになり、ビットコイン以外の通貨(アルトコイン)であるイーサリアムでも、2015年8月に「1Eth=約120円」ほどだったものが、2017年3月に「1Eth=約3,000円」、2017年5月時点で「1Eth=約25,000円」と、じつに200倍以上もの価値上昇を実現しました。また、同じくアルトコインと呼ばれるリップルでも、2017年5月15日~18日の間に相場が急騰し、2017年1月からじつに約40倍以上もの価値上昇を実現してしまったほどです。
さて、この仮想通貨熱に便乗して、ビットコインを日利1%~10%以上という信じがたい利率でハイリスク&ハイリターン運用する「HYIP(ハイプ)」なる投資が、日本で非常に流行しています。
「HYIP(ハイプ)」は「High Yield Investment Program」と呼ばれる高収益投資プログラムのことで、一説にはビットコインを持つ多くの日本人が、支払いや送金の手段としてではなく、ハイプ投資をするためにビットコインを購入したとも言われています。
【HYIP(ハイプ)案件の例】
●Right Rise(ライトライズ)
●Crude Miners(クルードマイナーズ)
●X-Binary(Xバイナリー)
●SportArb(スポーツアーヴ)
●D9 CLUB(D9クラブ)
しかし、ハイプ投資案件は運用期間が非常に短く、長くても1年持たない会社がほとんどのため、まるでネズミ講のように先に入った者ほど利益を出す確率が増え、収益として入ったビットコインはすぐに出金するというのが鉄則と言われているほどです。いつサービスが中止になり投資金額が回収できるか分からない点も、収益をすぐに出金して確保しておく理由となっています。
上記の優良と言われていた投資案件でさえ、蓋を開けてみれば数ヵ月で飛んでしまう(サービス中止で倒産・雲隠れする)詐欺投資ばかりで、とくに「D9クラブ」に関してはTVニュースで報道されてしまうほど大問題になりました。
それでも、多くの日本人が危険なハイプ投資にお金をつぎ込んでビットコインを増やそうとするのは、今後2018年にかけてビットコインが大きく値上がりすることが言われていることや、日本が宝くじ・ロト・競馬・パチンコなど様々なギャンブルを展開している国で「一攫千金」、「楽して大金を儲けたい」と考える人が多いからかもしれません。
最近では、「ビットコインカジノ」などの仮想通貨で遊べるカジノゲームなるものも出てきているようですが、ビットコインをハイプ投資で増やそうとするくらいなら、還元率が90%を超えるビットコインカジノでリターンを期待する方が、まだ良好な選択になるような気もします。
いずれにしても、投資は自己責任なので、たとえ損失を出しても誰も救ってはくれません。できる限り、自分がコントロールできる投資案件に分散投資していくのが良いのではないでしょうか。