【写真】ルカーチ温泉(Szent Lukács Gyógyfürdő)/ブダペスト(ハンガリー)
Q.ベーシックインカムとは何ですか?
A.誰もが毎月1回無償で支給される、最低限の生活費のことを言います。
ベーシックインカムは、簡単に表現すると、国民に毎月1回無償で配布される最低限の生活費のことを言い、いわゆる「現金の無償支給」、悪く言えば「現金のバラマキ」のようなイメージの制度になるかと思います。2018年時点では、アメリカ合衆国南部のカリブ海に浮かぶリゾート地・キューバで、国民全員に毎月約2,000円が国から支給されていますが、これがベーシックインカムの考え方に近いシステムとなります。
ベーシックインカムは、ヨーロッパでは数十年前から考察されていたシステムの一つで、なぜ今この制度が大きな注目を集めているかというと、今後AI(人工知能)技術が急速に発展していくことで、多くの職業で仕事の担い手が人間から人工知能ロボットへと切り替わり、人間が働かなくても良い世界になっていくと見られているからです。
そして、ベーシックインカムの財源は、大きな収益を得ているIT企業などが納める税金や、人工知能ロボットが働くことによって毎年国に納められる税金などから発生し、そこから国民に一部が還元されるというシステムが考えられているようで、この無条件でもらえる収入だけでも、人々は最低限の生活が送れるようになっていくとも言われています。その上で、自ら働きたい人は自身の職業を持ち、働きたくなければ好きなことをして生きていけば良い…という世界に徐々に入っていくのかもしれません。
このように、ベーシックインカムが各国(とくに失業率が高い先進国)で一般導入されることで、これまで富裕層がプライベートバンクや不動産などで得ていた不労所得システムを一般の人たちも利用できるようなイメージになり、まさに「昔の富豪の生活が、現在の一般人の生活になる」という自然のルールを体現していくことになると考えられます。
現在(2018年8月時点)では、フィンランドを中心にイギリス、ドイツ、カナダ、アメリカなどでベーシックインカムの実証実験が行われている段階と言われていますが、将来一部の才能ある人間だけがお金持ちになる資本主義が、AIなど最新技術により過去のものとなり、誰もが労働から解放されて生きれるような世界を創る1つのきっかけになるのではないでしょうか。